Deutsches Spanien-Kreuz
I. - 制定
ドイツ スペイン十字勲章（Deutsches Spanien-Kreuz）はスペイン内戦終了後の39年4月14日に "Verordnung des Führers und Reichskanzlers über die Stiftung des Spanien-Kreuzes（スペイン十字勲章製式に関する総統兼帝国首相法令）" - R.G.Bl.1939 I S.1359（1939年帝国官報第 I 部1359頁）として六種三等級が制定され、26,115名に対して同年6月6日付で一斉に授与が行なわれた。よって、この勲章は鉄十字勲章（Eisernes Kreuz）の様に下位の等級のものから段階的に授与されるものではない。
当勲章は等級にかかわらず綬は無い。よって、左胸に着用する略綬は存在せず、佩用式は右肋とされた。
尚、上記法令の公布は39年8月10日に行なわれた。
II. - 等級
当勲章は官報の第一条で金、銀、青銅の三等級から成る事を明記しており、戦闘に参加した者に対しては四種の剣付が、また直接の戦闘に参加しなかった者に対しては二種の剣無がその授与対象となった。スペイン内戦での貢献度によってそれぞれ賜与される等級が異なる為、以下に高位からの等級順で概説する。
Deutsches Spanien-Kreuz in Gold mit Schwertern und Brillanten :
ドイツ宝剣付金色スペイン十字勲章（SK-Br.）。ドイツ スペイン十字勲章での最高位勲章であり、空軍士官27名と陸軍士官1名が受章。
Deutsches Spanien-Kreuz in Gold mit Schwertern :
ドイツ剣付金色スペイン十字勲章（SK i.G.）。戦闘に際し個人的に際立った武功をたてた者が叙勲の対象となった。
Deutsches Spanien-Kreuz in Silber mit Schwertern :
ドイツ剣付銀色スペイン十字勲章（SK i.S.m.Schw.）。授与対象は、戦局を左右する戦闘に参加した者とされた。
Deutsches Spanien-Kreuz in Silber :
ドイツ銀色スペイン十字勲章（SK i.S.）。剣無の高位勲章として長期の功労に対して授けられる。受章者数は僅か300名余。
Deutsches Spanien-Kreuz in Bronze mit Schwertern :
ドイツ剣付青銅色スペイン十字勲章（SK i.B.m.Schw.）。戦役での従軍記章の意味合いが強く、前線に於ける数回の戦闘に参加した者へ与えられた。
Deutsches Spanien-Kreuz in Bronze :
ドイツ青銅色スペイン十字勲章（SK i.B.）。スペインに於いて三ヶ月以上の非戦闘任務に就いた者が対象とされた。
III. - 戦闘隊に於ける受章者
スペインでの戦闘航空兵に対する当勲章の叙勲は高位の物に集中している。SK-Br. の受章者28名中、半数の14名が戦闘機操縦士であった。
エバーハルト中尉の戦闘中隊と J.Gr.88 の隊員の内、当サイトでは SK-Br. の受章者と飛行勤務士官として SK i.G. の授与を受けた者を紹介する。
受章者一覧に関してはドイツ語で表示した。これはサイト閲覧者が当サイト外の資料との比較で混乱をきたすのを防ぐ為である。尚、授与日に関しては全て39年6月6日である。
一覧各欄の語句説明 -
Dienstgrad, Name：
授与の決定時点での階級と姓名。von は貴族家系出身者である。また、(+) は戦死、戦病死、死去後の追叙。
Truppenteil：
授与対象となった戦果を挙げた時点での所属部隊と役職。
註： J.Gr.88 に所属していたハインツ ルンツェ（Heinz Runze）少尉は以前の所属先 A.Sta.88 での功績から SK-Br. の叙勲を受けた。よって、受章者一覧には掲載していない。
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